気管切開をして一番怖いのがこの【カニューレの痰詰まり】だと私は思っています。
呼吸ができなくなって窒息してしまうからです。
どんなときに痰詰まりが起こるのか…
看護師さんにも聞いてみたけどいまいち具体例がわからなかった。検索してもなかなかヒットしない。
なので、私の実体験を書いておきます。
経過
気管切開をして落ち着いた頃にGCUから一般病棟に転棟した。
そんな一般病棟での話。
一般病棟では個室だった。
ナースステーションの目の前だから目が届くから安心ですよー。まだ小さいから皆気にしてみてくれますよー。
なんて言われていたけど、実際はミルクの時間もずれずれになるくらい看護師さんは忙しそうだった。
私が面会に来ているときは、なにかあってもすぐにナースステーションに行けたから多少安心はあったけど…(それでもナースステーションに人がいないときは結構あった)
私が帰った後、この子は大丈夫なのか?
何かあったときすぐに対応してもらえるのか?
という不安にかられた…。
GCUと環境がだいぶ違うからそれだけでも戸惑いだった。
あぁなんて安心だったんだGCUは…と思った。
風邪?
気管切開の手術をして2ヶ月近く経った頃、下痢っぽい症状が出始めた。
風邪?
病院なのに?個室なのに?風邪ってひくんだって思った。
もう無菌空間じゃないからか?なんて思いながら…
先生も診てくれてその日は経過観察となっていた。
翌日
面会にいくと明らかに痰の量が増えていた。
吸引しても吸引してもすぐにゼコゼコしてくる。
風邪っぽい症状があるからとこの日から薬を使った吸入が1日3回始まったとのこと。
午後になると黄色っぽい痰が増えてきた。
塊のような痰もあって少し心配になった。
夕方頃、そろそろ帰ろうと思っていたとき、吸引するとカテーテルに吸い込まれないくらいの塊の黄色い痰がひけた。
びっくりしたし怖かった。
先生にもその痰をみてもらった。
先生は吸入しながら様子を見ましょうと言っていた。
こんな塊でたけど大丈夫?でも先生がそこまで慌てていないし大丈夫なのか?なんて。
でもやっぱり心配で、その日の担当の看護師さんに「塊がひけたから吸入がしたい」と伝えた。
今日から1日3回、薬での吸入になっているから次は夜の20〜21時になるとのこと。
でもかたくなるようなら適宜生理食塩水で吸入できるので、こっちで確認しながらやりますよ。
と言われた。
できれば安心のためにも今すぐやってあげたい!と思ったけど…看護師さんが言うならすぐにやることじゃないのか?あとでやってくれるってことか?と解釈して帰ることにした。
ここで帰ったことを私は今もすごく後悔している…
いつもと少し違った様子で心配なときは帰るべきではない!と強く思った。
そしてなんともタイミング悪く、日勤と夜勤の交代の時間だったみたいで…吸入の件がしっかり伝わっていたのかどうか。
病院からの電話
22時前に病院から電話がきた。
本当に怖いよね病院からの電話って…
しかもPICU(小児集中治療室)の先生からの電話。戸惑う。PICU?なぜ?
先生の話では、
カニューレの痰詰まりがあった
カニューレ交換したらサチュレーションも落ち着いた
もう心配はないと思うけどしばらくはPICUでみます
今すぐ病院に来てくれってことではないけど、明日病院に来て病棟がかわってるとびっくりすると思ったので電話しました
とのことだった。
とりあえず大事には至らなかったようなので一安心だが…
どれだけ苦しかったんだろう。
どんな状態になっていたんだろう。
すぐに発見してもらえたのかな。
なんて考えていたらとてもとても悲しくなった。つらかった。
私が帰らずにみていてあげたらよかった。
すごく後悔した。
すぐに会いに行きたかったけどこの動揺した状態では危ないし、明日早く行こう。となった。
原因は
翌日面会に行き、PICUの先生と話した。
本人はだいぶ落ち着いていたが、まだ痰はかたいとのこと。
とりあえず落ち着いている状態をみて安心できた。
どうやって予防したらいいのか、予防する術はないのかと聞くと、ひたすら加湿をしてあげること。吸入を、痰が固まらないうちにしてあげること。だと言われた。
それを聞いて、やはりあの時吸入をしてあげていたら防げたことだったのではないか…と思えてきた。
一般病棟での主治医の先生も来てくれたので話した。
昨日痰の塊がひけたから看護師さんに吸入がしたいと伝えたんだけど、その後吸入はしてもらえたのか?と確認してもらった。
すると…記録には吸入したとの記載はないから、吸入はしていないと思うとのこと。
やはり…
ではあの時吸入できていたらここまでのことにはならなかったんじゃないか。つまりかけの段階で、苦しくなる前に気付くことができたんではないか。こうなる前にカニューレ交換ができていたんじゃないのか。つまり…これは防げたことだったのではないか。
と先生に話した。
素人考えの意見になってしまったけど…
でも先生は私のせいだごめんなさいと言っていた。
吸入を適宜と指示をだしてしまっていたから。吸入を時間を決めてやってもらうように指示を出さなかったから。と言っていた。
でもそういうことじゃないと思う。
だって私はあの時吸入がしたいと伝えたんだから。
私の意見は聞かずに、先生の指示しか聞いてくれないの?看護師さんは。と思ってしまった。
病院にいるにの安心じゃないのか…と思ってしまった。
うーん。いまいち納得のいく解決にはならなかった。
PICU生活
結局PICUには1週間ほどいた。
集中治療室というだけあって、看護師さんの目がすぐに届く。
なんと安心な空間なんだ。
そして、看護師さんの意識が違う!
集中治療室だからすぐに命と関わる状態の子が多いわけだから、当たり前なのかもしれないけど。
でもすごい安心できる看護師さんばかりだったなぁ。
吸入の時間を3時間、4時間、5時間、6時間と感覚をあけていき、どこまでなら空けても大丈夫か見定めてくれた。結果1日4回はしなくてはダメだということであった。
それだけでなく、風邪っぽくなっていたのもあるけど、痰がかたくなりやすいそうなので、注意しないといけないと言われた。
しばらくすると、状態も落ち着いてきて一般病棟に戻ることになった。
できればこのままPICUでみてほしい!なんて思わずにはいられなかった・_・
そんな怒濤の1週間だった。
首回り、気切孔のケア
首回りが赤くなっていたり、気切孔のまわりに肉芽ができていたのもPICUで明らかになった。
気切孔のまわりはしっかり綿棒で拭いてあげてから必要に応じて薬を塗るとのことだった。
ベビー用の細い綿棒が入りやすいから便利!
私はこれが使いやすいです。
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首回りの赤いところは、毎日のバンド交換のときにしっかり拭いてあげることが大事。
濡れタオルだけでなく、リモイスクレンズを使う。これは水を使わずにきれいに清拭することができるというもの。汚れを浮き上がらせてからふき取るだけ!
病院で買うよりネットで買うほうが安いことが判明したので、私はネットで購入しています。
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仕上げにリモイスバリアを塗ると皮膚の保護になるからなおよいと!
これは首まわり以外にも活用しています。保湿的な。
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この赤くなっているところも悪化しないように、毎日しっかりケアしてあげることが大事。
さいごに
いつもと違うな。おかしいな。
というのは看護師さんよりも母親のほうが気付くことができる。
素人だとしてもそこは看護師さんよりも肥えた目をもっているといってもよいと思う。
ずっと入院しているから…ずっと一緒なわけじゃないから…と思ったけど、それでも一回の面会時間で、その時間の間はずーっとみててあげてたわけだから、気付くことはできるんです。
素人だから…わからないことが多いから…とあまり多くを発言することもできず、強く言うこともできなかったけど、自分が安心できることも大事!
取り除ける不安であるなら取り除いてから帰ること。
私の場合はあの時強引にでも吸入をしてあげてから帰ればこんな後悔することはなかった。
結果としてその後詰まってたかもしれないけど…
できることはできる限りやってあげること!
これ大事。って強く思いました。
そして痰がかたくなってきたら、黄色っぽい痰が増えてきたら、吸入をこまめにかけてあげること。
これだけで最悪な事態は防ぐことができると思う。
この教訓をもとに、私は不安なときは吸入をこまめにかけています。
吸入がすべてではないけど、吸入も大事!っていう話でした。
詰まったカニューレの写真は、その2の時に載せようと思います。
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