我が子はNICUに数ヶ月いました。
事情は様々でしょうが、今NICUにお子さんが入院しているご家族は不安も大きいと思います。特にお母さんはただでさえ、産後で気持ちも落ち着かず、浮き沈みが激しくなったり、気持ちが滅入りがちですよね。ベースが低い中での子供の入院や面会は、気持ちが辛くなることもあると思います。
実際、私も気持ちがかなりマイナスになっていました…
そんなNICUでの数ヶ月間の私の体験談について書いていきます。少しでも参考になれば…と思います。
NICUとは
NICUとはNeonatal Intensive Care Unitの略。新生児特定集中治療室のこと。
早産児や低出生体重児、疾患のある新生児を集中的に治療・管理するところ。
細菌などの感染予防のため、環境は厳重に管理されている。
保育器などで体温調整や呼吸のサポートをしたり、様々な機械を使って全身状態の管理をしている。
病院によって様々だが、我が子が入院していたNICUはワンフロアで仕切りなく新生児が並んでいた。誰もがすぐに目が届くようになっていた。
なぜNICUに行くことになったか
我が子はお腹にいるときから極低体重児ということがわかっていたため、出産時は分娩室にNICUから新生児科の先生と看護師さんが来て待機してくれていました。お迎え搬送という手段。
赤ちゃんはお腹の中にいたときから元気がないと言われていたので、生まれてすぐに呼吸のサポートが必要な可能性が高い。そのため【すぐに必要な処置を行い、処置をしてからNICUに連れていく】とのことだった。
正直、死産になるんじゃないか…という不安はずっとあった。でも私にできることは、赤ちゃんが少しでも楽に出てこれるように頑張ってあげることだけだった。
あとは赤ちゃんがどこまで頑張ってくれるか…祈るのみだった。
出産レポート
実際、お産の時はどんなに痛くて辛くても、私は赤ちゃんのことだけを考えられていたような気がする。私も酸素マスクをつけられながらだったが、力をいれるタイミングをしっかり守って赤ちゃんを産むことができた。ほぼほぼ帝王切開と言われていたのに、赤ちゃんが頑張ってくれたおかげで経腟分娩で産むことができた。奇跡だと思った。
終わってから落ち着いてできた出産でしたねと先生からも助産師さんからも褒められました。
赤ちゃんは途中からやはり苦しくなったようで、最後は会陰切開でサポートし、1000gちょっとの小さい体はなんとか頑張って出て来てくれました。
そう。途中から
“赤ちゃん苦しくなってきた”
という声が聞こえるようになり
“赤ちゃん頑張ってるからお母さんも頑張ろう”
と声をかけられるようになり…。
生きるか死ぬかの瀬戸際のような緊迫した出産だったと思える。
そんな状況だったから私は赤ちゃんのことだけを考えられていたのだと思う。自分の痛みよりも赤ちゃんの無事を考えていたから「痛い」とか声を発することもなく、むしろ先生から「なんでもいいから声を出して!」と言われるくらいでした。本当によく我慢できていたなと今は思う。笑
そのうちに
「産まれましたー」
と助産師さんの声がした。
でも赤ちゃんの泣き声はない。
すかさず私の足元のほうで騒がしく人が動きだしたのが感じられた。
いろんなモニター音や先生の声を聞きながら、私は胎盤をだす過程にうつっていた。
どれくらいの時間が経ったのかわからない。とにかく私にはとても長い時間に感じられた。気が気じゃない。赤ちゃんがどうなっているのか全くわからない。だから出産の実感も感動もなかった。
しばらく経った頃に、保育器を押しながら新生児科の先生が私の横に来た。
「おめでとうございます。女の子ですよ。呼吸がうまくできなかったのですぐに挿管して呼吸をサポートしました。このままNICUに行きますね。」
とのことだった。
見ると口に管をいれられていて、でも片目が開いていて、生きてる。よかった。とひとまずほっとした。
先生が触ってあげてと言ったので小さな小さな手を握った。温かかった。生きてるんだなぁーと感じられた。
ほんの数分のご対面で我が子はNICUへ。
私はずっと気を張っていたんだと思う。あまりにも早くお産が進み、夫は立ち会いに間に合わなかった。会陰切開の縫合も終わり、一息ついたところでようやく夫が到着し、面会できた。そのときにやっと私は現実を取り戻した。緊張がやっと溶けて涙があふれた。
後々受け取った母子手帳には《新生児仮死→蘇生》との記載があり、ぞっとした。あんなに穏やかに新生児科の先生は話しかけてくれていたけど、実際はものすごく大変な状態だったんだなと…。
そんな私の出産の話。
ちなみに私は出産した日の夜に大量出血のため再び分娩室で処置を受けることになりました…。意識もとんで私どうなるのって怖かった…
さいごに
NICUの話に入る前に私の過程を書きました。
妊娠・出産は本当に奇跡のこと。ましてや何事もなく母子共に健康なんてさらに奇跡のこと。
私と我が子は大変な思いをしたけれど、こうして今生きられているのは、産婦人科の先生・助産師さん・新生児科の先生や看護師さんのおかげ。本当に感謝です。
次回はNICUでの面会についてのいろいろを書いていきます。
コメント