新型出生前診断(NIPT)とは?~なにがわかるの?メリットや問題点は?~

妊娠・出産

産後に遺伝カウンセリングを受け、新型出生前診断(NIPT)というものを知りました。

新型出生前診断は、日本では2018年3月に一般診療化され、注目を集めるようになったそうです。

自分なりに調べたものをまとめておきます。

新型出生前診断とは

正式名称は「無侵襲的出生前遺伝学的検査」「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」という。開発・導入されたのは最近であるため、国内では“新型出生前診断”と呼ばれている。

新型出生前診断は、妊婦の血液中に含まれる赤ちゃんのDNAの断片を分析し、赤ちゃんの特定の染色体疾患を調べるものである。

調べられる染色体疾患は、21トリソミー(ダウン症候群)】【18トリソミー(エドワーズ症候群)】【13トリソミー(パト―症候群)】の3つのみである。

染色体疾患全体のうち、この3つの疾患が占める割合が7割を占めている。そのため、国内では”日本医学会””日本産科婦人科学会”の指針で3つの疾患に限定されているとのこと。発生頻度の低い染色体異常については調べることができない

なお、海外では3つ以外の染色体疾患も調べられる国もあるとのこと。

特徴

従来の非確定的検査と比べて精度が高い

従来の〈母体血清マーカー〉〈コンバインド検査〉に比べて感度が高いため、より正確に発見することができる。陰性的中率が非常に高い(99.9%)とのこと。

採血のみで検査ができるため、流産・死産のリスクがない

確定的検査の〈羊水検査〉〈絨毛検査〉は、妊婦のお腹に針を刺して必要な羊水や絨毛を採取するため、破水・出血・感染を生じるリスクを伴い、流産や死産へつながることが少なからずある。しかし、新型出生前診断は採血のみのため、赤ちゃんへのリスクがなく、より安全に検査を行うことができる。

妊娠周期の早い時期から検査をすることができる

出生前診断は、妊娠10週~検査をすることができる。

コンバインド検査は、妊娠11週~

母体血清マーカーは、妊娠15週~

羊水検査は、妊娠15週~

絨毛検査は、妊娠11週~

となっており、一番早い時期からできるのが出生前診断である。

早く結果を知りたい人にとっての選択肢のひとつとなっています。

出生前診断を受けることが出来る人は(条件)

この出生前診断は誰でも受けられる検査ではないようです。

受けることができる人の条件が決まっている。

  • 高年齢の妊婦(出産時35歳以上が目安)
  • 母体血清マーカー検査や胎児超音波検査で胎児に染色体異常の可能性が示唆された妊婦
  • 以前、染色体異常を持つ赤ちゃんを妊娠または産んだことのある妊婦
  • 両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座型を有していて、胎児が21または13トリソミーである可能性が示唆された妊婦

結果はどうやってでる?

結果は

「陽性」「陰性」「判定保留」

の3つのいずれかででる。

この新型出生前診断は精度が非常に高い検査だが、確定診断ではないため、「陽性」「判定保留」の結果がでた人は、確定診断のために羊水検査や絨毛検査を受ける必要がある

新型出生前診断は、大体1~2週間で結果はでるそう。

検査の費用

病院によるそうですが、大体20万円前後とのこと。

羊水検査や絨毛検査の費用と大体同じくらいか少し高いくらい。

しかし、この費用の中には確定診断を受ける必要が出た時のために、羊水検査や絨毛検査の検査費用も含まれているとのこと。

ただし、別途で羊水検査・絨毛検査の費用をとられてしまうところもあるそうなので、事前に費用については確認しておくべき。

安いものではないので、別途払う必要のないところを探したいところです。

新型出生前診断を行うには高いコストがかかるが、いきなり羊水検査や絨毛検査を受けるよりも、簡単で安全性の高い検査をまず受けられる方が安心なのかもしれない。

新型出生前診断を受けることができる施設

日本医学会に認定された医療機関でのみ検査をすることができます。どこの医療機関でも受けられるわけではないので注意が必要。

新型出生前診断はまず、夫婦で遺伝カウンセリングを受け、検査についてよく説明を受け、情報を理解したうえで、受けるか受けないかの判断をするところから始まります。

結果を受けてからのことをしっかり考えられなければ、容易に受ける検査ではないからです。

だんだんと新型出生前診断ができる医療機関も増えてきているようです。自分のお住まいの地域から近いところを探してみて下さい。

このように全国展開しているところもあります。

この他の病院であれば、日本医学会認定病院で検索するとでてきます。

問題点

出生前診断を受けることは「命の選択」なんて言われることもあります。

本来は、出生前診断は母子の健康のために行われるものです。異常が見つかれば、早めに何かあっても対応することのできる大きな病院に転院するなど、生まれてくる子供の環境を整えることが目的とされていました。しかし、実際は〈赤ちゃんに異常がわかり、育てられる自信がない〉などと中絶を選択する人が多いのが現実。なんと陽性反応のでた人の9割近くは中絶の選択をしているというデータもありました。

「産む・産まない」の選択をするためのものではないはずだったのに…

精度が高いとはいえ、陽性的中率は年齢によっても変わるらしく、100%ではないのです。つまり〈陽性反応が出ても生まれた子供には実は異常がなかった〉という事態がほんの数%だが存在するということ。そのような事実を踏まえたうえで、検査を受けるかどうかを考える必要があります。検査結果が出てからのことをしっかりと考えておかなければなりません。

「結果が陽性だったら産む決断が揺らぐから…」という理由で検査を受けないという選択をする人もいます。一方で「結果がどうであれ産む。なにかあるなら家の近くの産婦人科でなく、設備の整った病院に転院したい。」と強い意志を持って受ける選択をする人もいます。

なお、高齢出産だから必ず受けなければならない。というわけでもありません。

産む前に異常がわかっていれば、病気や障害について調べたり準備したりすることもできます。実際、我が子の病気や障害を受け入れるには時間がかかるものですから…

このような問題点もあるため、受ける受けないの選択も簡単ではありませんね。

さいごに

受ける・受けないの選択が難しいところですが、受けると決めたならこの新型出生前診断はリスクも少なく精度も高いといういい検査だと思いました。少し費用は高いけれど、羊水検査を受けるよりはリスクが低いので、羊水検査を受けようと考えている人にとってはかなりおすすめの検査ができたなぁという印象を受けました。

しかし、私は産後の遺伝カウンセリングの際に、「次に妊娠したとしても新型出生前診断を受ける条件にはあてはまらない」と言われました。

受けられる条件もなかなか厳しいんですかね…。

新型出生前診断も選択肢のひとつに考えてみるといいでしょう。

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